室内の空気環境を整えたいとき、まず思い浮かぶのは空気清浄機でしょう。一方で、エアコンに取り付けるタイプのフィルターという選択肢もあります。どちらが良い・悪いという話ではなく、条件によって向き不向きがあるというのが実際のところです。
それぞれの仕組み
空気清浄機
本体にファンを内蔵し、自ら空気を吸い込んでフィルターを通し、きれいにした空気を吹き出します。HEPAフィルターなど高性能なフィルターを搭載した機種が多く、捕集性能を数値で示しやすいのが特徴です。
エアコン用フィルター
エアコンが空気を吸い込む流れを利用します。エアコン内部の既存フィルターに重ねる形で設置し、通過する空気に対してはたらきます。自らファンを持たないため、エアコンが動いているときに機能します。
比較表
| 項目 | 空気清浄機 | エアコン用フィルター |
|---|---|---|
| 設置スペース | 本体の設置場所が必要 | 不要(エアコン内部) |
| 電気代 | 運転電力がかかる | 追加の電力なし |
| 運転音 | ファンの音が発生 | 追加の音はなし |
| 稼働タイミング | 単独で運転できる | エアコン稼働時にはたらく |
| 複数室への導入 | 台数分の本体が必要 | エアコンの台数分で対応 |
| メンテナンス | フィルター清掃・交換 | 汚れたら交換 |
| エアコン内部の汚れ | 直接の効果はない | 汚れの侵入を抑えられる |
選び方の考え方
空気清浄機が向いている場面
- エアコンを使わない季節も含めて、常に稼働させたい
- 特定の部屋に集中的に対策したい
- 設置スペースと予算に余裕がある
- 捕集性能を数値で確認したい
エアコン用フィルターが向いている場面
- 設置スペースを取りたくない(待合室・客室・教室など)
- 部屋数・台数が多く、本体を人数分そろえるのが現実的でない
- 運転音を増やしたくない
- 追加の電気代をかけたくない
- エアコン内部の汚れ対策も兼ねたい
併用という選択肢
どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。常時稼働させたい部屋には空気清浄機、台数が多い場所やスペースの取れない場所にはエアコン用フィルター、という使い分けをされているケースもあります。
たとえばホテルでは、ロビーには空気清浄機、客室にはエアコン用フィルター、という組み合わせが現実的です。客室数が多い施設で全室に空気清浄機を置くのは、コストの面でも管理の面でも負担が大きいためです。
判断のポイント
迷ったときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 対象の部屋数・台数はどれくらいか — 多いほど、本体を置かない方式が現実的になります
- エアコンは通年で使うか — 通年稼働ならエアコン用フィルターが機能する時間も長くなります
- 設置スペースと運転音の制約はあるか — 制約が強いほど、機器を増やさない方式が有利です
- エアコン内部の汚れやニオイも課題か — 課題であれば、入り口で捕らえる方式に利点があります
AT254吸着フィルターの仕組みについては「AT254とは」で詳しくご説明しています。